沈む

 

月曜の新聞に、ギャンブル依存症の増加を懸念する記事が載っていた。

水原一平の事件を引き合いに、IRが開業すればさらに依存症患者が増えるというのだ。

 

そんなにギャンブル依存症が心配なら、まずはパチンコ店を問題視しろと言いたい。

リゾート施設にカジノができたとして、どれだけの国民が利用すると思っているのだろうか。

数が限られた賭博施設に、交通費と時間をかけて行く人数よりも

市街地にも郊外にも乱立しているパチンコ店(2023年末で全国に6000店以上ある)に入る人の方が圧倒的に多いだろう。

 

パチンコ店はほぼ毎日、どこかの店が朝から晩まで営業している。

行こうと思えばいつでも行ける、庶民にとってもっとも身近ギャンブルだ。

競馬や競艇は開催日も1日のレースの数も限られている。

パチンコは1年中営業していて、当たりを引かない限り際限なくお金を使うことになる。

しかも公営ギャンブルとは違い、換金は非合法なシステムだ。

同じことをパチンコ店以外がやると逮捕される。

 

記事では、IRのカジノの対策が不十分だと批判しているが、パチンコについては何も語っていない。

申し訳程度に用語解説に「パチンコ」の4文字が載っているだけだ。

 

令和2年の依存症対策全国センター調査「過去1年間で最もお金を使ったギャンブルの種類」によると

パチンコとパチスロが圧倒的だ。

 

私は、新聞がパチンコ店を批判する記事を読んだ記憶がない。

もしかすると、彼らにとってパチンコは「娯楽」であってギャンブルではないのかもしれない。

 

 

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By ほりゆき

ぶるぼん企画室代表の堀行丈治(ほりゆきたけはる)です。取材、執筆、撮影、編集を生業としています。

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