家路

 

取材していると、相手に期待したほどの特徴がないことがある。

人物取材は他者との違いを出すのが王道だ。

「ただの人」では記事にならない。

そんな相手に出会っても、慌てることはない。

なぜなら「ただの人」と表現できる人に出会うことはまずない。

「ただの人」だと思ってしまう、こちらの感性や質問力の問題なのだ。

「特に変わったことはしていません」と言われたら

「ではどんな風にしているのですか」と、その人の「普通」を聞き出せばよい。

きっとそこに、深掘りしたくなることや、気になることがあるはず。

本人が気づいていないから「特にない」と言ってしまう。

取材する側は、相手に気づかせてあげることも仕事の一つだ。

「特にない」と言う人への取材こそ、ライターの真価の見せ所だろう。

だが実際にそんな人に会うと、内心は冷や汗をかいている。

そして終わった後、いや記事化した後ぐらいに

「いい取材だったな」と思うのだ。だぶん・・・

 

 

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By ほりゆき

ぶるぼん企画室代表の堀行丈治(ほりゆきたけはる)です。取材、執筆、撮影、編集を生業としています。

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