新聞受け

 

新聞の、いわゆる「押し紙」をめぐって、元販売店主が新聞社を提訴したというニュースを見た。

西日本新聞社は去年も元販売店主に訴えられており、審理が続いているという。

「押し紙」は新聞業界では昔から「ある」と言われてきたが、いよいよ地方紙から明るみに出てきた。

(正確にはブロック紙と呼ぶべきか)

  

新聞販売店は、個別に配達する他に、店頭でも新聞を売る。

今でこそ買う人はめったにいないだろうが、20〜30年前なら買う人もそこそこいたと思う。

そんな客のために、配達分に何部か上乗せして仕入れなければならないことは理解できる。

だが西日本新聞の場合は、実売部数の10%以上、時期によっては20%を超える押し紙があった。

新聞販売店の粗利率がどれくらいなのかは知らないが、10%もロスしていては商売にならないだろう。

 

販売店の部数が10%増だとすると、総発行部数も10%水増ししていることになる。

新聞の発行部数は、広告価値を決める重要な要素だが、

押し紙があると、広告料の正当性もなくなる。

 

販売代理店に過剰在庫(それも消費期限が極めて短い商品)を抱えさせる企業があったら

マスコミは黙っているだろうか。

燃費性能を偽った自動車会社はマスコミから袋叩きにあった。

 

同業の新聞社が沈黙しているのは、身に覚えがあるからだろうと察するが。

テレビやラジオなどの電波メディアもこれをニュースとして扱わない。

(テレビ局の不祥事が新聞で大きく扱われることもないが)

結局、オールドメディアと呼ばれる業界は、みんな「お友達」。

自浄作用がないのかもしれない。

 

西日本新聞は今回、

「訴状が届いていないためコメントは差し控えさせていただきます」

と答えたそうだ。

去年の提訴についてはどう答えてくれるのだろう

「裁判中なのでコメントは差し控え・・・」

とでも言うのだろう。

 

他紙の販売店主も動くかどうか、注目している。

 

 

広島のライター&カメラマン
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代表 堀行丈治
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By ほりゆき

ぶるぼん企画室代表の堀行丈治(ほりゆきたけはる)です。取材、執筆、撮影、編集を生業としています。