トランプ大統領の相互関税発動で、株価が下落している。
今日の中国新聞社説は「トランプ氏の暴走許すな」という見出しで、批判一辺倒だ。
それは間違っていないと思う。
私が関心を持ったのは以下のくだり。
象徴的なのは日本のコメの関税を700%とした点だ。実際は約77万トンの無関税枠を設け、それ以外に1キロ当たり341円の関税を課す。民間の仕入れ価格を参考にすれば関税率は200%程度だ。江藤拓農相が「理解不能」と反発したのも当然である。
たしかに「700%」という数字が一人歩きして、SNS上でも散見される。
だがそれは事実ではないようだ。
3月12日の毎日新聞ウェブ記事は、もう少し詳しい
だが、日本は輸入米を一定量まで関税ゼロで受け入れるミニマムアクセスの仕組みを設け、米国を含む各国から年77万トンを上限に国が買い取っている。この枠内であれば、米国に課されるコメの関税はゼロだ。
日本はこの枠を超えた輸入米に対し、1キロ当たり341円の従量税を課している。2005年の世界貿易機関(WTO)交渉時、この従量税と当時のコメの国際価格を基に実質的な関税率を778%と計算し、「参考数値」として使用していた。
ミニマムアクセスの77万トンを超えた部分に課せられる関税が、1キロあたり341円。2005年のコメの国際価格がトンあたり500ドル以下。仮に500ドルに切り上げて、当時のドル円レート(平均すると110円程度)で換算すると1キロ55円なので、341円の関税は国際価格55円の6.2倍(620%)。若干誇張しているが700%は理解不能というほど遠い数字でもない。
現在の国際相場が2024年で約600ドル。

1ドル148円として、1キロあたり88.8円だ。341円の関税で4.8倍の値段になる。
中国新聞が参考にしたという民間の仕入れ価格の根拠が不明なので200%が正しいかどうかわからない。
純粋に国際価格と為替レートで計算すると、仕入れの380%の関税をかけていることになる。
現在のデータにアップデートすれば700%は盛りすぎだ。
だが200%が正しいのかはわからない。
ただ、確実に言えることは、関税を下げればコメはもっと安くできる。
買い占めや出し惜しみをしている業者を一掃するために、コメの関税を当面の間撤廃すればいいと思う。