中国新聞がLINEで募集した読者ネタを記事にする「こちら編集局です」というコーナーかある。

今日、LINEで届いた質問が「タクシーを捕まえにくい?」。

タクシーの予約事情について記事化したいようだ。

質問の意図は分かるが、タクシーを「捕まえる」という表現が果たして適切なのだろうかとモヤモヤしている。

タクシーを

捕まえる

拾う

止める

呼ぶ

などの表現が考えられるが

「捕まえる」というのは、なんだか悪人とか獲物とか、逃げる者を捕獲するような印象だ。

タクシーの立場なら「捕まる」。

「タクシーを捕まえる」は、話し言葉では普通に使っているが、書き言葉だと乱暴に感じる。

「拾う」もよく使う(私は捕まえるより拾う派だ)が、果たしてタクシーは拾うものなのか。そこらへんに落ちているのかというと、これも書き言葉だとしっくりこない。

タクシーから見ると「拾われる」というのもねえ……。

「止める」。これはアリだと思う。タクシーを止めて、乗るわけなので言葉の使い方は正しいし、実際に使える。「金曜の夜はなかなかタクシーが止まってくれんのう」

タクシー側の視点でも「止められた」で合っている。

「呼ぶ」は、配車依頼なら完全にこれ。

「タクシーを1台呼んでください」は日常で使えるし、使い方としてもおかしくない。

タクシー側も「呼ばれた」で違和感ゼロ。

路上を流しているタクシーを止めるときには使えないけど。

と考えると、やはり「捕まえる」というのは書き言葉としては不適切ではないかと思う。

マスメディアが使うなら、路上なら「止める」、配車なら「呼ぶ」がいいと思う。

 

 

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By ほりゆき

ぶるぼん企画室代表の堀行丈治(ほりゆきたけはる)です。取材、執筆、撮影、編集を生業としています。

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