今年もやってきた。
「恵方巻」とは何なのかと毎年思う。
子どもの頃の節分は豆まきをするくらいで、夕飯に何を食べるとかいう習慣はなかった。(鰯を食べる習慣もあるようだが)
恵方巻に初めて出会ったのはいつ頃だったか。20年以上前だと思う。
そして、いつの間にか「恵方巻の丸かぶり」なるものが風物詩のような行事になっていた。
私も巻き寿司は大好きだ。特に「田舎巻」と呼ばれる、金時人参やほうれん草、干瓢、牛蒡などが入った巻き寿司に目がない。
だがこの恵方巻というイベントはどうにもなじまない。
理由は多分、丸かぶりだ。
巻き寿司を切らずに一本かじるなんて、おおよそ日本人の美意識とかけ離れている。
巻き寿司は、切った断面の美しさも魅力の一つだ。
歯型に合わせて凸凹な断面、いや噛みちぎった面では愛でようがない。時には噛みきれなかった具材が一本するりと抜けてしまう。
ああ、なんて美しくない食べ方だろう。
豪華な具材も台無しだ。
切らずに食べるのは、ロールケーキぐらいに留めておきたい。