かれこれ10年ぐらい使っているパナソニックのICレコーダーRR-XS5350

 

ライターとして取材するときは、取材対象者にお願いして、

会話内容をICレコーダーで録音させてもらっている。

いわゆる備忘録として。

 

取材の基本はノートテイクなので、相手の話を聴きながら

ノートにペンを走らせる。

もちろん発言全てではなく、大切な言やキーワードが中心だが、

話が上手な人や頭の回転が速い人の取材では、筆記が追いつかない。

そんなインタビューを後で記事化するときに、音源が役に立つ。

あるいは自分の筆跡が芸術的で読めないときも、録音のお世話になる。

情報補完のツールとして取材音源が役に立つことはあるが、

実は、録音したデータの8割くらいは、一度も聴き直すことなく消去している。

それには理由がある。

 

ノートに書き込んだ情報の方が、整理しやすく、文章を組み立てやすいからだ。

ノートの利点は、もちろん使う人にもよるが

(記事を書く上で)不要なことは書いてないということ。

取材する自分が「ここは大事」と感じたことや

「これを深掘りして、この人の思いに迫ろう」と興味を寄せたことが書いてある。

逆に、一般常識的な話や当たり前に感じることやその日のニュースなど、

記事化するときに、真っ先に排除されるような情報は記述しない。

だから取材ノートから原稿を起こしていくほうが、

時間がかからないし、文章もまとまっている(と思う)。

 

音源をテキスト起こしするには、取材時間と同じかそれ以上の時間をかけて聴き直さねばならない。

テキスト起こしのツールを使った場合、不要な発言も全て文字化される。

テキストを読んでも、取材対象者の発言なのか質問者の発言なのか分からないことも多く、

確認のために聴き直さねばならない。

そして、情報が多い。

全ての発言を拾うので、本題と関係ないことや重複する言葉や表現も多い。

話し言葉を文字化するので、主述のねじれや途中で主語が変わってしまっていることなどもある。

 

数年前に一度、テキスト起こしから記事化したとき

自分では気づいていなかったのだが非常に出来が悪く、大幅に修正を求められたことがある。

それ以来、できるだけ音源データに頼らない執筆を心がけている。

 

だが録音に救われることもある。

取材相手によっては、こちらの筆記力の限界を超えるからだ。

聞き手としてインタビューを成功させることが第一なので、

まずは筆記よりも相手の「いい言葉」を引き出すことに注力しなければならない。

録音は、そんなときのための心強い援軍だ。

私の場合は、実際に録音のお世話になるのは年に1、2度くらいのものなのだが、

その1つの案件の1箇所だけでも曖昧な部分があれば、信用を落とす。

音源には頼らないけど、必ず録る。

そして、困った時には助けてもらうのだ。

 

 

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By ほりゆき

ぶるぼん企画室代表の堀行丈治(ほりゆきたけはる)です。取材、執筆、撮影、編集を生業としています。

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