今日1月5日は今年最初の茶道教室だった。
先生が濃茶を点ててくれた。先生の点前を見られるのは滅多にない。もちろん私のなんちゃって茶道のような作法とは比べ物にならないほど凛としているのだが、正月だからかお菓子も豪勢だった。きんとん、練り切り、飴、苺、その脇に小さな袋があった。
永平寺 寒干大根
初めて食べるものだ。昨秋、永平寺に行ったが、寒干大根なる名物の存在は知らなかった。
「甘い物の後で食べるとおいしいのよ」
寒干大根を添えた理由について、先生はそう答えた。
寒干大根を口に入れ奥歯で噛むと、口を閉じていてもぽりぽりと音が響く。おいしいではないか!
どこで買い求めたのかを私たち生徒に話しながら先生は言った。
「ほりゆきさんが“おいしい”と言って喜ぶだろうと思ったのよ」
おいしい物に出合ったとき、すぐさま誰かの喜ぶ顔を連想できるって、いいなと思った。
自分ではなく、誰かが喜ぶ姿を思いながら買い物をする。
おもてなしの心って、こういうことなのか。
清らかな気持ちになったせいか、本日の茶花の写真を撮り忘れる。
本日の茶花 万年青