MNPで新調したスマートフォンで、旧機からのデータ・アカウント移行作業の諸々を行なっていた時、一つのアプリでつまづいた。

新番号に変更しようとしても、エラーが表示されて手続きできない。パスワードは正しい。旧機から操作してもだめ。ヘルプを参照して、指示通りに操作したお陰で、支払い設定も全部消えた(泣)。

チャットサポートは機械の自動ガイダンス。打つ手がないのでコールセンターに電話をする。最近はコールセンターもすんなり表示させない。お問い合わせページに表示されていないのだ。それでも調べれば出ることは出る。

フリーダイヤルにかける。電話中にスマホ操作が必要かもしれないと思い、固定電話からかけた。ここで失敗。保留音で待たされている間に親機から少し離れてしまい、通話が切れる。しかもよく見ると子機のバッテリーが残りわずかだ。やむを得ずスマホからかけ直す。

コールセンターは親切だった。原因は分からないが、番号変更はできた。

固定電話から電話をかけたのは久しぶりだ。おそらく一年に一度も使わない。かかってくることは時々あるが、ほぼ間違いなく投資の勧誘電話だ。今や取引銀行でさえ携帯にかけてくる。

昔は「ビジネスをする上では固定電話が信用の証」と言われていて、新聞広告は固定電話の番号を表記しないと掲載できなかった。もっと昔、私が大学生だった昭和60年代は、固定電話がステイタス、憧れだった。バイト代を貯めて「電話加入権」を買い、電話線を引いた時の胸の高鳴りを思い出す。

事務所の固定電話は、その学生時代からずっと続いている回線だ。厳密に言えば通信会社を変えた時に途切れているのだが、休止期間も含めて大学生の頃から手放さずに持っている回線なのだ。これといった愛着があるわけではないが、30年以上生きてきた回線なのだと思うと何だか自分の一部のようにも思える。携帯やスマホはこの30年で十数台買い換えていると思うが、電話機はおそらく4台目くらいだ。今や活躍する場面がほとんどないけど、ないと落ち着かない気もする。

固定電話とは逆に、意外と出番が多いのがファクシミリだ。月に3〜4回は仕事で使っている。セキュリティの問題からいまだに外部とのネット接続を制限している取引先、取材先では、現役の通信手段として稼働している。

固定電話が消える日が来ても、ファクスは存在し続けるのではないかと思う。

 

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By ほりゆき

ぶるぼん企画室代表の堀行丈治(ほりゆきたけはる)です。取材、執筆、撮影、編集を生業としています。