先日文春オンラインで山口恵以子さんの記事を読んで気になったので、
図書館で本を借りてきた。
「食堂のおばちゃん」
山口さん自身の経験を活かした、食堂を舞台にした物語だ。
小難しい表現などせず、極めて普通の現代語で書かれている。
そして、料理の描写が細かい。
調理法も丁寧に書かれていて、読んでいるとお腹が空いてくる。
自分がこの「はじめ食堂」の客になった気分だ。
筆者が経験していることを題材にするのは最大の強みだと思った。
もし経験していないことを書くとしても、状況の描写は大切だ。
これまでは心理描写ばかりに気を取られていたが、情景や状況をどんな言葉で伝えるかで
その作品のリアリティーが決まる。
ものごとをよく観察して、最適な言葉で形容する。
一手間かけた表現が、創作を現実に近づける。
まあそれが難しいわけなのだが。