4年前の松江文学学校で、島田雅彦さんの講演を聞いた。
そのときに島田さんが言った言葉の一つが
「小説家にとって大切なことは、あてもなくふらふらとほっつき歩くこと」
目的を持たず歩き回る中で観察眼を磨くというような意味だったと思う。
講演の後、早速実践しようと松江の街を歩き回ったことを思い出す。
7月半ばの晴れた日で、1時間ほどで頭が痛くなった。
目的を持たずに行動するのは勇気がいる。
無駄な行為になるかもしれない。
というより多くの場合、徒労に終わるだろう。
ウオーキング中もあれこれ思案しながら歩いているが、
まとまった考えに落ち着くことはあまりない。
それでも、普段は気にしない足元の草花や頭上の雲に、ある種の面白さを感じることがある。
だからどうしたと言われそうだが、歳のせいか小さな発見だでもうれしくなる。
何かに気づくことを繰り返していけば、いつか別の世界が見えるのではないだろうか。
日常に変化がないと思っているのは、気づいていないから。
もっと積極的にふらふらしてみよう。
ぶるぼん企画室
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