VARは遠い世界の話ではなく、私たちも似たような生活をしている

 

スポーツのジャッジにビデオ判定が使われることが多くなった。

いまワールドカップで話題のVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)や

ラグビーのTMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)、

プロ野球の「リクエスト制度」がこれにあたる。

 

サッカーでは4年前のロシア大会からVARが採用されているが、今回はオフサイド判定をAIが補助している。

VARであれオフサイド判定であれ、最終的には主審の判断にゆだねられるのだが、

かなりジャッジに影響を与えている。

いまはまだ、ゴールやPK、退場につながるようなプレーでしか採用されていないが、

そのうち警告クラスの行為でもVARが使われるのではないかと思う。

 

これまで審判の目を欺く反則は山ほどあったし、今もある。

相手のユニフォームを引っ張る、抜き去られた後で足を引っかける、接触していないのに転ぶ。

これらは今まで、ファウルとジャッジされなければ問題ない、

むしろチームのためになるプレーと思ってやっている選手もいただろう。

 

「マリーシア(ずる賢さ)」は選手のスキルの一つだった。

今も得点や退場に絡むような局面でなければ、マリーシアは称賛されるだろう。

しかしこれだけビデオ判定が正確さを担保しているのであれば、

試合全体に採用されてもおかしくないと思う。

 

もしそうなれば、ほとんどのマリーシア行為はファウルになるだろう。

審判が気付かなければルールに反しても問題ない、と考える選手には気の毒だが

フェアに戦っている選手やチームにはメリットが大きいだろう。

 

私たちはふだん、「表沙汰にならなければいい」とか

「これぐらいは見逃してもらえるだろう」「気づかれなければセーフ」などと

よこしまな考えが浮かぶことがある。

実行してばれなければ「マリーシア」だ。

しかし、多くの場合、「お天道様が見ている」「不正はよくない」と思いとどまるだろう。

誰かに見られているわけでもないのに「天の目」が見ていて、心が裁きを受ける。

 

VARは心まで裁きはしないだろうが、私たちの世界でいう「お天道様」的な存在なのかなと思っている。

 

 

ぶるぼん企画室
代表 堀行丈治
東広島市八本松南5-6-12コウセイビル202
TEL.082-401-1072 FAX.082-553-0556

 

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By ほりゆき

ぶるぼん企画室代表の堀行丈治(ほりゆきたけはる)です。取材、執筆、撮影、編集を生業としています。