ナナがいなくなった週末に、小鳥の飼育用品を整理した。
なんだか殺風景な部屋になってしまった。
彼女が私にとって最後のペットだと思う。
何か飼うことを勧めてくれる人もいるが、私もそこそこ歳をとった。
私が死んだときに飼われている動物はどうなるのと考えると、
無責任に命を預かることは慎もうと思った。
私が帰宅すると、ナナは鳴き声で応えてくれた。
夜、寝ているはずなのに物音を立てるとケージの中で小さく鳴いた。
朝は飼い主より早く目覚める。
りんごが好きだった。
性格は荒かったが、ひとりぼっちになってからは、よく触らせてくれるようになった。
彼女も寂しかったのかもしれない。
10歳を過ぎてからはそれなりに覚悟はしていたけれど、旅立ってしまうと悲しい。
もっと長生きさせてやれたのではないかと、後悔もある。
今日の空も青かった。
ゆるやかな風が吹くたびに、銀杏の葉が舞い落ちる。
冬が近い。
ぶるぼん企画室
代表 堀行丈治
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