西条酒蔵通り

 

「一時に一事(いちじにいちじ)」という言葉を教わったのは、5年くらい前だったと思う。

一度にできることは一つだけ。二つ三つと同時に行なっているとミスや事故のもと、という意味だ。

 

分かりやすい例を挙げれば、車の運転中にスマホを操作して交通事故を起こすこと。

同時にたくさんのことができる人もいるが、ほとんどの人は一つのことしかできない。

「ながら」の作業は本当によく失敗する。

たとえそれが「歩きながらの電話」程度でも、会話の内容がうろ覚えだったり、

歩行中に何かにぶつかったり、転んだりということがある。

 

デスクワーク中にも、二つ以上の作業を並行して進めるとミスを誘う。

あるいは、一つの作業をしているときに別のことを始めると、元々していた作業のことを忘れてしまうこともある。

「一時に一事」と心に留めておきながら、現実には周囲の出来事に振り回されて、

同時にあれこれ進めようとしてしまう。

 

通信環境は高速化し、仕事で使うアプリケーションも進化が続く。

仕事の納期はどんどん短くなっていく。

同時進行でいくつもの案件が動いている。

もちろん複数の案件があるのはいいことだが、

個々の作業を同時に行なってしまうと失敗リスクが高まる。

 

今日やることが3つあるのなら、3つを同時に進めるのではなく、一つが終わったら次の案件へ。

一つが終わらない限り、他の仕事には手をつけない。

それくらい徹底できればいいのだが……。

今夜もたくさん宿題がある。

どれから片付けようか。

 

 

広島のライター&カメラマン
ぶるぼん企画室
代表 堀行丈治
東広島市八本松南5-6-12コウセイビル202
TEL.082-401-1072 FAX.082-553-0556

 

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By ほりゆき

ぶるぼん企画室代表の堀行丈治(ほりゆきたけはる)です。取材、執筆、撮影、編集を生業としています。