「一時に一事(いちじにいちじ)」という言葉を教わったのは、5年くらい前だったと思う。
一度にできることは一つだけ。二つ三つと同時に行なっているとミスや事故のもと、という意味だ。
分かりやすい例を挙げれば、車の運転中にスマホを操作して交通事故を起こすこと。
同時にたくさんのことができる人もいるが、ほとんどの人は一つのことしかできない。
「ながら」の作業は本当によく失敗する。
たとえそれが「歩きながらの電話」程度でも、会話の内容がうろ覚えだったり、
歩行中に何かにぶつかったり、転んだりということがある。
デスクワーク中にも、二つ以上の作業を並行して進めるとミスを誘う。
あるいは、一つの作業をしているときに別のことを始めると、元々していた作業のことを忘れてしまうこともある。
「一時に一事」と心に留めておきながら、現実には周囲の出来事に振り回されて、
同時にあれこれ進めようとしてしまう。
通信環境は高速化し、仕事で使うアプリケーションも進化が続く。
仕事の納期はどんどん短くなっていく。
同時進行でいくつもの案件が動いている。
もちろん複数の案件があるのはいいことだが、
個々の作業を同時に行なってしまうと失敗リスクが高まる。
今日やることが3つあるのなら、3つを同時に進めるのではなく、一つが終わったら次の案件へ。
一つが終わらない限り、他の仕事には手をつけない。
それくらい徹底できればいいのだが……。
今夜もたくさん宿題がある。
どれから片付けようか。
広島のライター&カメラマン
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