ボランティア活動で、壊れた玩具の修理をしている人たちを取材した。
動かなくなったり音が出なくなったり、あらゆる症状のおもちゃが持ち込まれる。
修理にあたるのは高齢者の「先生」たちだ。
メーカー保証が切れた、保証がついていないネットショップ購入品、
誰に相談したらいいのか分からないなど、依頼者が持ち込む理由もさまざま。
口コミで知って、遠方から訪ねてくる人もいる。
次から次へとやってくるおもちゃの「患者」を、先生たちが細かな作業で直していく。
中には、私が子供時代に見たことがある物も。
それでも時代ごとに仕様が変わってきているようだ。
20年以上前のおもちゃでも、「これは新しいタイプ」という声が聞こえる。
「最近のおもちゃは、修理できない構造になっているものが多い」
壊れたら新品を買ってほしいからか、修理のためにネジを外せるような作りになっていない。
それでも先生たちは、あらゆる技術と知恵を使って、修理にあたっていた。
いつからか、壊れた物を直して使うということをしなくなった。
壊れないように、日々手入れすることすら疎かになっている。
子供の頃は、毎週のように自転車を磨き、油を差していた。
自分が使うものは手入れをするのが当たり前だった。
今はどうだろうか。
仕事で使ういろいろな製品を、昔のように大切にしているだろうか。
いや、もちろん大切だという気持ちは持っているが、心のどこかに
「万が一の時には買い替えればいい」
という甘えがある。
大切なものは、壊れないように日々の手入れを。
壊れたときには自分で修理できるだけの技量も身につけておきたい。
人生の先輩と話をすると、いろいろな気づきがある。
広島のライター&カメラマン
ぶるぼん企画室
代表 堀行丈治
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