インドで見た、名前も知らない花

 

アジアンドキュメンタリーズの作品『いつか祖国へ −IS戦闘員の妻たち−』を観た。

 

イスラム法による統治を標榜するISに理想郷を見て、シリアに渡った女性たちの

「IS崩壊後」にスポットを当てている。

先日読んだ「イスラム2.0」の内容にも通じる、

インターネット時代のISの広報戦略に共感した若者があ直面する現実が見える。

国際社会からテロリスト集団と認定された組織に属したために、祖国へ帰ることがかなわない。

シリアに渡った当時を悔いても、もうどこへもいけないという苦悩に満ちた作品だ。

彼女たちの悲惨な運命に同情もするが、もっと衝撃を受けたのは

ISによる人身売買の現場映像も収められていたことだ。

現代の価値観では到底容認できない人権侵害だが、イスラム法的には正しいことなのだという。

先鋭化した集団相手でなくとも、価値観が異なる人たちはいる。

その人たちと私たちは、どう折り合いをつけて生きていけばいいのだろうか。

近代法だけが正義ではないのか、自由と人権は万人に保障されているのではないのか。

宗教とは何なのかを考える上で、非常に興味深い作品だった。

 

 

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By ほりゆき

ぶるぼん企画室代表の堀行丈治(ほりゆきたけはる)です。取材、執筆、撮影、編集を生業としています。