案山子

 

年に何度か、クライアントにデザインや企画を提案することがある。

弊社が筆頭になることもあれば、他社と共同でプレゼンテーションに臨むこともある。

ほとんどの場合、仕様書に「プレゼンテーションに係る費用は提案者の負担とする」という文言がある。

案件獲得の成否に関わらず、プレゼン費は自己負担なのだ。

他社と共同で参加するときは、企画部分のみ関わることが多く、その場合はプレゼン費は自己消化できる。

自己消化といえばもっともらしいが、要は「手出し」。無報酬ということだ。

筆頭事業者として提案するときは、そうもいかない。

自社にデザイナーがいないので、デザイン提出は外部に協力してもらっている。

外注先のデザイナーには、プレゼンだからといって無報酬という訳にはいかない。

最低限の制作料は支払っている。

結果の如何に関わらず、弊社で負担する。

 

世の中に「タダ働き」があってはいけないと思う。

デザインを仕上げるにも、コンセプトやキービジュアルを固めるにも、さまざまな人の働きがある。

意匠や知的財産に対して、敬意と対価を忘れずにいたい。

だが現実には、依頼者がプレゼン費を持たず、提案者が負担することの方が圧倒的に多い。

提案のクオリティーは、提案者がどこまで負担に耐えられるかによって左右される。

「採用されなかったらゼロ円」という話はしたくない。

やりくりは大変だし、リスクを抱えることになるが、

こちらもプロなら外注先もプロ。

弊社とともにプレゼンに参加してくれる事業者への、敬意の表れだ。

 

 

広島のライター&カメラマン
ぶるぼん企画室
代表 堀行丈治
東広島市八本松南5-6-12コウセイビル202
TEL.082-401-1072 FAX.082-553-0556

 

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By ほりゆき

ぶるぼん企画室代表の堀行丈治(ほりゆきたけはる)です。取材、執筆、撮影、編集を生業としています。