韓国のドキュメンタリー映画「ノクターン-兄弟の絆-」を観た。
自閉症の青年音楽家と彼の弟、母親の3人の物語だ。
障害者が特殊な才能を持っていることがあるが、それとて一握りだろう。
この作品は、そんな一握りの音楽家の人生を追ったものだが、決して特別な世界を描いてはいない。
母親や弟の視点で進んでゆくため、障害者の家族の心情というものが痛いほど分かる。
母親は「1時間でもいいから息子より長生きしたい」という。
子供を置いて死ぬわけにはいかないという、使命というか執念のようなものを感じる。
弟は、自身も音楽の道を志すが挫折。兄の才能に全てを賭ける母親を、少し醒めた目で見ている。
兄に付きっきりで自分に構ってくれない母への不満も見え隠れする。
音楽の才能という特別な状況ではあっても、障害者を支える身内の実情は、至極一般的なものだと思う。
日本では、障害者や家族が安心して暮らせているだろうか。
私の弟も、障害を抱えて生きている。
両親は今、どんな思いでいるのだろうか。
私はこれから、どうしていけばいいのだろうか。
悩んでいられる時間は少ない。
広島のライター&カメラマン
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