「老害」という言葉を聞いて、初めて背筋が寒くなる思いがした。
かつては私自身も、引き際の悪い高齢の人を指して「老害」と揶揄したことがあった。
だが気がつけば揶揄する側からされる側の年齢に差し掛かっている。
20代、30代の人たちから見れば、50代の私は高齢だ。
私が20代の頃、50代の人たちは父親と同じ世代だった。
その世代の人たちの考え方は古いと感じていたし、会社の中でもちょっと面倒な人が多いと思っていた。
今、20代、30代の人は、私の子供世代。
彼らにとっての私は、古臭くて面倒な人なのかもしれない。
日刊SPA!に老害社員の連載記事があった。
「超老害社会」という刺激的な見出しが踊っている。
怒りっぽくなる3つの要因として、執着、孤独感、自己顕示欲が挙げられている。
怒るだけが老害の特徴ではないと思うが、老害と呼ばれる諸々の現象を誘発する原因にもなっているのだと思う。
執着、孤独感、自己顕示欲。どれも、いっぺんに捨て去ることは難しい。
執着や自己顕示欲は、若い頃には成長の源になることもある。
だがそれをいつまでも振りかざすと、若手の成長機会を奪ってしまうだろう。
【老害(ろうがい)】とは…… 組織や社会で幅を利かせすぎて言動が疎まれる高齢者、また、傍若無人な振る舞いによって他人に必要以上の負担や迷惑をかけている高齢者などを指す表現
気持ちはまだまだ若手のつもりでいても、現実にはもうベテランの年齢なのだ。
誰かを「老害」と叩いた次の日には、私が誰かに老害認定されるかもしれない。
広島のライター&カメラマン
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