子どもの頃はこんな風景に囲まれていた

 

映画「三島由紀夫VS東大全共闘50年目の真実」を観た。

三島由紀夫という人物の、懐の深さが際立った作品だった。

そして、彼と同じ時代を生きた者たちが、今もその時代の空気から抜け出せないでいるように見えた。

稀代の天才小説家と過ごした時間に飲まれたままの彼らのことを、ある意味不憫にも思い、羨ましくも思う。

 

作品から感じられたのは、昭和40年代の社会の激動だった。

リアルタイムで体感することは無理だとしても、その時何が起きていたのかは後追いで知ることができる。

だが、あさま山荘事件の様子をテレビで見ることがあるが、テレビは犯人の思想的な背景には触れない。

よど号ハイジャック事件、ダッカ日航機ハイジャック事件、テルアビブ空港乱射事件、安田講堂事件……

映像で紹介されることはあっても、事件の背景を解説する番組はほとんどない。

昭和30年代の安保闘争からの、日本における共産主義勢力の台頭、反戦主義の広がりなど、

その結末も含めて、学校で私たちが教わることはない。

 

戦後日本の歴史の中で、少なくない期間を生きている私たちが、現代の少し前に起きたことを知らない。

終戦からの歩みを碌に学ばないまま、今の社会だけを批判している。

果たして我々は、いかにして今の日本社会に辿り着いたのか。

それを知らないまま右だの左だの言い合っている。

資料はたくさんあるだろうが、知ろうとしない限り私たちの目の前には出てこない。

知らなくても困らないかのもしれないが、平和や安全が脅かされている今、過去を知ることも必要だと思っている。

 

 

広島のライター&カメラマン
ぶるぼん企画室
代表 堀行丈治
東広島市八本松南5-6-12コウセイビル202

ぶるぼん企画室は広島県東広島市を拠点に活動する編集プロダクションです。

ぶるぼん企画室
代表 堀行丈治
東広島市八本松南5-6-12コウセイビル202
TEL.082-401-1072 FAX.082-553-0556

By ほりゆき

ぶるぼん企画室代表の堀行丈治(ほりゆきたけはる)です。取材、執筆、撮影、編集を生業としています。

2 thoughts on “昭和に生まれて、昭和を知らない私がいる”
    1. 白方先生
      コメントありがとうございます。六全協について知らなかったので調べました。彼らはいまでも暴力革命を肯定しているんですかね。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *