去年処方されていた花粉症の薬が残り数日分になったので
かかりつけの内科に行った。
待合室でのルーティンは読売新聞を読むことだ。
今日は今ひとつ面白くなかったので、早々に新聞をたたみ
「家庭画報」を手に取った。
ビジュアルに力を入れている雑誌というイメージが強く
写真撮影の参考にしようと思って読んでみると、これがなかなか面白い。
最初に目を引いたのが連載「言葉の道しるべ」。

この大胆なレイアウト。
白場の活かし方が上手い。
そして、俵万智さんが選んだ、谷川俊太郎の言葉も趣深かった。
俵さんの表現を借りると
言葉にしようとする時に抜け落ちてしまうものにこそ、詩が宿っている
・・・言葉は素敵なものだけれど万能ではない。
心のさまを発露させる時、言葉では言い切れない何かにこそ、本質があるのだという意味ではないか。
言葉は便利な道具だけど、全てを伝えることはできないのだ。
「言葉の道しるべ」はウェブページで3号分のバックナンバーが読める。
いずれも重みのある言葉だ。
特に高浜虚子の「客観写生」(選者は深澤直人さん)がいい。
図らずも写真よりも文章の方に心を惹かれた。
こういう本を待合室に用意してくれている院長に拍手を送りたい。