あまり人前でしゃべりたくないのだが、なぜか発表やプレゼンの場に立たされることが多い。

その度に感じるのが「声が通らないこと」。

 

去年の今頃、スピーチのアドバイスを受けて、話し方は少し良くなったと思っているが、声の質は相変わらずだ。

 

そこで、プロのボイストレーニングを受けてみた。

ボイストレーニングというと、歌が上手になりたいとかミュージシャンを目指しているとか、そんな人向けのレッスンだと思いがちだが、発声を良くするためのレッスンもある。

 

受講したのは東京、吉祥寺のボイストレーニングスクール「ZIGZAG MUSIC SCHOOL」のオンラインレッスン。

コースがいろいろあって迷ったが、本来の目的の「基礎発声レッスン」を選択した。

 
レッスン当日、画面の向こうに現れたのは山倉ボッサさんというプロミュージシャン。

私はボーカルレッスンを希望していないのだが……と身構えてしまったが、歌わされることはなくて安心。

プレゼンのときの自己紹介の発声を中心に、指導してもらった。

若干余裕を持たせて、ゆっくりと話す。

 

「タメはあっても、そのとき息を吸っていないでしょ?」

一度しゃべっただけでズバリ言い当てられた。

 

声を出すことにばかり意識が向かっていたが、その前に息を吸うことがとても大切なのだそうだ。

たしかに、話している途中で息が続かなくなって声が小さくなることがある。

声を出し切るだけの息を貯ためておかなければ、力強い話はできない。

そして、出した声の響かせ方、強弱や高低の作り方、表情さえも声に影響する。

さまざまな要素が絡んで自分の声になるのだと知った。

 

発声の仕組みなんてまったく気にしたことがなかったが、自分の声や喋りで実践しながら説明を聞くと良く分かる。

自分の声がなぜ通らないのかも理解できる。 

発声はもちろんだが、「いい声」「いい話し方」とは何だろうかという、伝え方の根本に立ち返ることができる時間だった。

 

レッスン後は、日々の生活の中で「息を吸う」ことを意識する時間が増えてきた。

それだけでも、心に少しだけ余裕が生まれる気がする。

 

文章でいえば書き方講座か、はたまた校正校閲か。

プロにチェックしてもらうということは、有益なのだと改めて思った。

 

 

 

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By ほりゆき

ぶるぼん企画室代表の堀行丈治(ほりゆきたけはる)です。取材、執筆、撮影、編集を生業としています。