破壊と創造

 

小説を書くとき、題材は自由に決められる。

自分が書きたいことを、好きなように表現できる。

だけど、作品批評で「気をつけなさい」と言われることがある。

というか、私は複数回、警告を受けている。

すでに昨今はKADOKAWAがトランスジェンダー本の発売を中止するという

「外圧」に負けて出版できないという現実もある。

そして、われわれ創作者の中でも、「誰かが不快に思えばアウト」というような

不文律ができているような気がする。

病気、障害、宗教などは、題材として扱うときに要注意なのだ。

私は過去作で、認知症の兆候がある人、宗教に依存している人を作品中に登場させたが

どちらも注意を受けた。

「特殊な状況設定では、読者が共感しづらい」という意見には納得するが

「これで不快に思う人がいる」という制限をかけると

世の中のいろいろな創作物がポリコレに戦々恐々としているように、

何も書けなくなってしまうのではないかと危惧する。

だが、声が大きい人や団体がいるのも事実で、

同人レベルならまだしも、メジャーな刊行物となった場合には

批判が集中する可能性もある。

最近は、表現の自由を尊重するマスコミも、ポリコレに同調しやすい。

そういう意味では、思い通りに創作するということは、

覚悟が必要なのだと思う。

私はそろそろ次回作を書こうと思っているので、

テーマは何であれ、覚悟を固めておきたい。

 

 

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By ほりゆき

ぶるぼん企画室代表の堀行丈治(ほりゆきたけはる)です。取材、執筆、撮影、編集を生業としています。

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