初めて自分の声を聞いたのは、小学生のころ。
母の実家で、叔父のテープレコーダーを囲んでみんなでしゃべった後のことだった。
自分の体内に響いていた声と違って、軽薄でお調子者のような、癇に障る声に思えた。
それ以来ずっと自分の声が嫌いで、特に録音した自分の声は聞きたくなかった。
数十年が過ぎ、声もすっかり変わってしまっていて
今は曇ったような、霧の中に立たされているような薄い声になってしまった。
そして、この声も嫌いなのだ。
特に今は、取材音源として自分の声を聴かなければならない時がある。
記事は可能な限り取材メモだけで作成しているが、筆記が追いつかなかった部分や
ディテールを確認したいところは、聴き直さなければならない。
その度に、嫌な気持ちになる。
なんと湿っぽくて聞き取りづらいのだろうと、自分でも情けない。
おそらく私と話す相手の人も聞き取りづらいだろう。
そんなこともあってか、人前で話すことを躊躇うようになった。
このままではいけないと思い、今日これからオンラインで話し方のレッスンを受けることにした。
果たして結果やいかに・・・