12月に、和傘職人と石州和紙職人を取材・撮影させてもらった。
石州和紙は島根県西部で1300年にわたってつくられてきた伝統的工芸品。
紙漉きの工程は、コウゾを切る、蒸す、乾かす、ほぐす、練る、漉く・・・
と気が遠くなるほどの手間と時間を要することを知った。
年が明けて、アジアンドキュメンタリーズの配信作品『紙の人びと』を観た。
こちらは愛媛県内子町の伝統的工芸品「大洲和紙」を絶やさないよう継承している人たちの話だ。
若い人たちが、手漉き和紙の職人として修業を続ける姿、思いに感銘を受け、応援したくなる。
映像を見るだけでも、決して容易い仕事ではないことがわかる。
力仕事だし、冬は寒そうだ。
だけどみんな、生き生きと働いている。
石州和紙の職人さんからは、仕事に誇りを持っているのが伝わってきた。
大洲和紙の若い職人さんたちも、伝統産業を受け継ぐ者の心構えができていると思った。
年末から短期間のうちに、取材と映画で、手漉き和紙の世界を二度も見ることができた。
地場の伝統産業を守っていくことは難しい時代だが、それに挑戦する人たちに心を打たれる。
たかが一枚の紙だけど、作り手の思いが伝わる紙もある。
どう使うかを考えなければいけないのだが、
こんど手漉き和紙を見たら、応援の意味も込めて買い求めてみよう。