写真は、父が着けていた腕時計。
家族の誰も欲しがらないので、一つくらいは父の形見を持っておこうと思って私がもらった。
父の私物の整理はいいとして
人が一人この世からいなくなるということは、こんなにも大変なのかと思うくらい
いろいろな手続きが進まない。
父の死後、預金口座の整理や母、弟の年金手続き、相続と
この半月で片付いたものは一つもない。
手続きは主に母が行っているのだが、毎日のように役所や金融機関を行ったり来たりで疲れている。
「こんなに大変だとは思わなかった」と言う。
祖母が亡くなって20年くらいになるが、その時は今とは比較にならないほど楽だったそうだ。
だがそれは手続きそのものの煩雑さよりも、祖母の段取りのおかげだったという。
自宅で寝たきりの状態だった祖母は、死期を悟った頃
世話をする母に委任して、自分の貯金を全て解約したという。
おかげで祖母の死後に、母があちこち奔走することもなかった。
父の死後とは対照的だ。
父が死ぬまで何も対策していなかったことの他に
末弟が障害者であることも、手続きを難しくしている。
これまで必要なかった成年後見人を立てないと、公的書類のいっさいが申請できない。
私が成年後見人になるのだが、その手続きはこれから。
全てが整理できるのは、年末ぐらいかもしれない。
こういった諸々のことを予見できていれば、父ももう少し早く動いていたかもしれない。
自分が元気なうちに自分の後始末をつけておくと、残される家族の負担が少ない。
母は「遺言を書いておく」と言っている。
私も一緒に終活を始めようかと思ったりもする。