父の腕時計

 

写真は、父が着けていた腕時計。

家族の誰も欲しがらないので、一つくらいは父の形見を持っておこうと思って私がもらった。

 

父の私物の整理はいいとして

人が一人この世からいなくなるということは、こんなにも大変なのかと思うくらい

いろいろな手続きが進まない。

父の死後、預金口座の整理や母、弟の年金手続き、相続と

この半月で片付いたものは一つもない。

手続きは主に母が行っているのだが、毎日のように役所や金融機関を行ったり来たりで疲れている。

「こんなに大変だとは思わなかった」と言う。

祖母が亡くなって20年くらいになるが、その時は今とは比較にならないほど楽だったそうだ。

だがそれは手続きそのものの煩雑さよりも、祖母の段取りのおかげだったという。

自宅で寝たきりの状態だった祖母は、死期を悟った頃

世話をする母に委任して、自分の貯金を全て解約したという。

おかげで祖母の死後に、母があちこち奔走することもなかった。

父の死後とは対照的だ。

父が死ぬまで何も対策していなかったことの他に

末弟が障害者であることも、手続きを難しくしている。

これまで必要なかった成年後見人を立てないと、公的書類のいっさいが申請できない。

私が成年後見人になるのだが、その手続きはこれから。

全てが整理できるのは、年末ぐらいかもしれない。

こういった諸々のことを予見できていれば、父ももう少し早く動いていたかもしれない。

自分が元気なうちに自分の後始末をつけておくと、残される家族の負担が少ない。

母は「遺言を書いておく」と言っている。

私も一緒に終活を始めようかと思ったりもする。

 

 

 

ワンストップで取材チーム(ライター&カメラマン)を手配できます

ぶるぼん企画室は広島県東広島市を拠点に活動する編集プロダクションです。

広島で取材スタッフを探すなら
ぶるぼん企画室
代表 堀行丈治
東広島市八本松南5-6-12コウセイビル202
TEL.082-401-1072 FAX.082-553-0556

By ほりゆき

ぶるぼん企画室代表の堀行丈治(ほりゆきたけはる)です。取材、執筆、撮影、編集を生業としています。