過疎

 

今日の中国新聞1面に「コンビニ 減少時代」という見出しの記事があった。

中国地方のコンビニの店舗数が減少に転じた。

1998年の調査開始以来、コロナ禍の2020年を除くと初めてのことだという。

 

私の実家がある三原市大和町には、コンビニが1軒だけある。

スーパーは、かつては2店あったが、いまは1店。

その1店も品揃えが悪い。

練り物や日配品の食品がほとんどない。

酒類もほとんどない。

アイスクリームの冷凍庫は蓋がかけれられている。

そのせいで、ほとんど買い物客がいなくなった。

母は隣町の世羅まで車を運転して買い物に行く。

まだ何とか運転できるからいいものの、

さらに歳を重ねると、買い出しにも行けなくなるだろう。

流行りの移動スーパーもない。

 

人口減少地域では、規模の大きいスーパーはもう自店の経費すらまかなうことが難しい。

周辺の過疎地域に行くと、たいていは町内に1軒、幹線道路沿いにぽつんとコンビニがある。

他に食料品店や飲食店などは見当たらない。

コンビニが唯一の商業施設と言うと大袈裟かもしれないが、

もはや日常的に人が集まる店はコンビニぐらいしかない。

 

最近は地元の産直市や交流拠点とコラボしたコンビニを見かけることが多い。

コンビニ各社にとっては生き残りをかけた戦略なのだろうが、

受け入れる地域も、コミュニティを維持するためにコンビニの力を借りている。

 

10代の頃は「こんな田舎にコンビニができるわけがない」と思っていたけど、

いまは逆に、コンビニは過疎地での貴重なライフラインのように感じる。

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By ほりゆき

ぶるぼん企画室代表の堀行丈治(ほりゆきたけはる)です。取材、執筆、撮影、編集を生業としています。

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