今月も日本フルハップの会報誌「まいんど」が届いた。
いつも通り、音田昌子さんのコラム「心に残ることば」から読む。
夏の草刈りで見つけた、小さな草花に思いを巡らせながら
「雑草という草はない」を引用している。
私はテレビを見ないので知らなかったが、
NHK連続テレビ小説「らんまん」の主人公のモデルになった植物学者
牧野富太郎さんのことばだという。
ただし最近まで、このことばが牧野さんの発したものだったのかどうかは定かでなかったそうだ。
それを証明する史料を紹介し、牧野さんがこのことばで伝えたかったことについて考える随筆だ。
どんな草にも、どんな木にも名前がある。
だけど、私もそれらを一括りにして「草」「雑草」と呼んでいる。
山に入ると、いろいろな草木に出会う。
だがたった一本の木の名前さえも分からない。
鳥の囀りが聞こえても、ウグイスくらいしか判別できない。
私たち一人一人に名前があるように、草木や動物それぞれにもに固有の名前がある。
ものごとを丁寧に、大切に扱えば、「雑草」などと呼ばないだろう。
動植物に名前をつけてくれた先人たちは、万物を大切にして生きてきたのだと思う。
牧野さんのことばは、それを私たちに説くものだったのかもしれない。