品川駅の自由通路。「社畜ロード」と呼ばれるらしい。

 

私が契約している映画配信サービスのアジアンドキュメンタリーズは、

毎月新作映画で特集を組んでいる。

今年上半期に配信が始まった作品の中から、印象深かったものを3つセレクトしてみた。

 

血筋(特集「親父の肖像」)

この作品に登場する父親は、どうしようもない人間だ。

プライドは高いが怠け者で仕事は長続きしない。

金に困れば誰かに借りればいいと思っている。

そして父を慕って訪ねてきた息子には、いい父親でいようとして見栄を張る。

見ていて本当に腹が立つくらいなのだが。それでも否定できない親子の絆が見える。

ドラマ性はないが、なんともいえない複雑な気持ちになる。

そして、鑑賞後はこの父親に同情さえも覚える。

不思議な作品だ。

 

クィア・ジャパン(特集「性と向き合う」)

アジアンドキュメンタリーズには相当な誹謗中傷が浴びせられたのではなかろうかと思う。

そして、誹謗中傷する人たちはおそらく予告編しか見ていないだろう。

作品全編を見ると、登場人物たちはしっかりと自分の居場所を築いて、誇りを持って活動している。

私は彼らを見て、偏見に苦しんだり差別されたりしているとは思わなかった。

むしろ幸せそうだった。

LGBTを保護するための法律がなくても、今のままでじゅうぶん共生できているのではないか。

題名や予告編だけで毛嫌いせずに見てほしい作品。

 

サラリーマン(特集「外国人が見た日本」)

これも予告編を見ただけだと、日本のサラリーマンを揶揄したり非難したりだけの作品に思うだろう。

だが全編を見れば、監督のサラリーマンを見る目そのものが変わってくることに気づく。

制作当初はおそらく「企業の犠牲者」としか見ていなかったのだろうが、

取材するうちにある種の敬意と友情に近い感覚が芽生えたように見える。

批判もあれば問題提起もある。

日本の企業風土をリアルに描きつつも、サラリーマンたちにエールを送る作品だと思う。

 

 

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By ほりゆき

ぶるぼん企画室代表の堀行丈治(ほりゆきたけはる)です。取材、執筆、撮影、編集を生業としています。

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