ローカル線の危機。
新聞報道によると、JR芸備線は全区間で赤字だという。
33億円の営業費用をかけて、8.7億円の収入。
利用客が多い広島−下深川間でさえ赤字だ。
「ローカル線を残せ」という声が少なくないとは思うが、
公共交通とはいえ、いち民間企業であるJR西日本が
これほどの赤字を出し続け、放置することは
株主に対する背信行為だと思う。
鉄道に限らず、バス路線も過疎地では便数が激減している。
私の郷里も、かつては1日10数便あったバスが5便しか走っていない。
それでも赤字だろう。
私がバス・電車通学をしていた40年前と比べれば
1軒に1台だった自動車は、1人1台になった。
子供の通学は、バスを使わず親が送迎している家が多い。
バス会社は収益が悪化するので減便し、不便になるとさらに利用者が減る。
鉄道も同じ。
利用しないから減便する。
それでも赤字が止まらない。
「残せ」という人の中で、いったいどれだけの人が乗車しているだろうか。
私の知るローカル存続論者は、移動ではほとんど自動車を使っているようだ。
ある過疎地域の自治会長は、
「こんなことになったのは、私たちが子供を車で送迎したからだ」
と自覚していた。
その自覚をもってして、では今の赤字路線をどうするのかを考えた方がいい。
安易に「残せ」とはいえないはずだ。
地域で支えきれるのか。
自分達が身銭を切って鉄道を残す覚悟はあるのだろうか。
飛脚や馬車が残っていないように、ローカル鉄道もいつか消える運命なのかもしれない。
すでにたくさんの路線が廃止されている。
自分が住むまちが特別だとは思わない方がいい。