クリスマスのプレゼントの買い出しに行った。自分の家族への物ではなく、ボランティア活動で出会う、まだ見ぬ人たちへの小さな贈り物だ。
人数分のプレゼントを、予算と天秤にかけながら探し歩いた。ショッピングセンターを3軒はしごして、なんとか数が揃った。
数百円の買い物でも、悩み始めるときりがない。選択肢は限られていて、それほど迷う余地はないはずなのに、あれこれと想像がはたらいてしまうのだ。
「受け取った人は、喜んでくれるかな」
「好みの色じゃなかったらどうしようか」
自分以外の人のために何かをしているときは、心が躍っている。顔が見えない相手であっても。
ラッピングの赤い袋にもときめきを感じる。
「少しお時間がかかるかもしれませんが…」
ええ、どうぞ。今夜の私はとてもいい人。待たされても平気だ。
滅多に行かなくなった書店で時間をつぶし、頃合いを見計らって、ラッピングされたプレゼントを受け取りに行った。
無料だって? レジ袋は有料なのに?
なんだか得した気分だ。クリスマスは特別なのかな。
段ボール箱いっぱいの喜びが、うまく届けられますように。