来週、郷里の神社で秋祭りがある。
一昨年と去年は、コロナ禍を理由に中止された。
今年は飲食物の提供をせず、祭典と神事を行うと聞いた。
22日の夜は神殿入(こうどなり)という、提灯を奉納する行事がある。
昔は各戸から提灯を持って神社に向かっていたそうだが、
私が子供の頃には、縄の両端を竹竿にくくり付け、その縄にいくつもの提灯をぶら下げていた。
少ない人数でたくさんの提灯を運ぶためだ。
今よりもっと人が多かった時代でも、そんな工夫をしていたのだが、
近年は神殿入に参加することに消極的な家もある。
私の母も「今年も無理にやらなくても」と言っていた。
進学、就職で実家を離れておよそ30年。私は神殿入に特段の思いを持っていなかった。
おじさんと呼ぶにふさわしい歳になった頃から、ふるさとの行事に心惹かれ始めた。
6〜7年前から、神殿入の日には必ず帰省している。
個人的には写真を撮りたい衝動に駆られるが、氏子としては提灯を奉納することが第一。
「ここから撮ったらきれいだろうな」と思いながら、一参加者として参道を歩く。
今年もきっと、人が足りない。
1年経てば1歳分、高齢化が進む。
あと何年、提灯の灯りを守れるだろうか。
まあ10年は大丈夫だと思うが……。
広島のライター&カメラマン
ぶるぼん企画室
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