午後から実家に帰る。
父がテレビで高校野球とプロ野球を交互に見ている。
子供の頃は野球少年だったので、甲子園もカープ中継も食い入るように見ていた。
大人になってすっかり見なくなってしまったが、接戦の高校野球には思わず目が行く。
昼下がりになって、空が暗くなってきた。
遠くに雷の音が聞こえるので、少し早めに母と墓参りに行った。
先々週に刈った草が、少し伸びていた。
雷の音が近くなってきた。
花を供えて手を合わせる。
花は全て家の庭で母が育てた。
墓のことも家のことも畑のことも、実家の何もかもが、母がいないと進まない。
帰宅して両親とお茶を飲んでいると、雨音が聞こえた。
父が「2階の窓は全部閉めておいた」と得意そうに語る。
母が墓参りに行く前に、2階の窓を開けていることを伝えていたら、父が気を利かせてくれたのだ。
当たり前の会話なのに、なんだか気持ちが安らいだ。
広島のライター&カメラマン
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