キッチンの横に、キリン一番搾りの6缶パックが置いてある。
かれこれ2か月くらいそのままだ。
「帰ってから飲みんさい」と
畑仕事の駄賃がわりに、母が持たせてくれた。
アルコールに弱い体質になって5年くらい経つ。
それまではそこそこ飲んでいたし、酒が好きだった。
ある時期から急に二日酔いが激しくなり、ひどい時は翌日一日寝込んでしまうようになった。
今では飲めてもせいぜい缶ビール1本。それ以上飲むと、数時間後から頭痛が始まる。
夜、飲みに行くことがないので、仕事は捗る。
食事の場に呼ばれることがあっても、飲まないので車で行ける。
酔っていればすぐに寝てしまうが、素面だといろいろ気になることがある。
忘れていたことも思い出す。
飲めなくなってから、特に不便や不都合を感じたことがない。
とはいえ、飲めたらそれはそれで楽しいということも知っている。
でも、もう十分飲んだとも思う。
飲む人と飲めない人の両方の気持ちが分かるので、何だか得した気分だ。
広島のライター&カメラマン
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