西条・黒橋の夕暮れ

 

小説を書くとき、登場人物一人一人に細かな設定をする。

主人公だけではなく、家族や友人など、作品に登場する人は

全てとまでは言わないが、プロフィールを固める。

名前(フルネーム)、年齢、性格、容姿、嗜好など

作品に登場しない要素でも、できるだけ具体的にしておく。

その人物たちが、あらすじに乗ってドラマを繰り広げる。

ところが、あらすじ通りに物語が展開しないことが多い。

個々の人物が人格を形成してくると

「この人はこの場面で、こうは言わないだろう」

と思うことがある。

登場人物が、書き手の思いとは違う意志を持ってしまうのだ。

書き手が、その人物のことを理解していなかったのかもしれない。

そんなときは素直に、登場人物の意思に従って行動してもらう。

物語は思わぬ方向に転がっていく。

 

今まさに、この事態に直面している。

思っていたのとは違うことが起きている。

自分の意思で動き始めた彼らを止められない。

いや、実際にはこっちの思い通りに書くことはできるのだけれど、

自分のエゴで、愛すべきキャラクターたちの持ち味を殺したくない。

そんな不思議な体験ができるのが、小説を書く醍醐味なのかもしれない。

 

 

広島のライター&カメラマン
ぶるぼん企画室
代表 堀行丈治
東広島市八本松南5-6-12コウセイビル202
TEL.082-401-1072 FAX.082-553-0556

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By ほりゆき

ぶるぼん企画室代表の堀行丈治(ほりゆきたけはる)です。取材、執筆、撮影、編集を生業としています。

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