飼育崩壊現場

 

今日は朝から市内の寺で動画撮影の後、広報紙のモデル撮影。

その後はワードプレス講習会の予定だったが、昼イチで急遽撮影が入った。

犬猫の保護活動団体の依頼で、活動シーンを撮る。

現場は、多頭飼育が崩壊してしまった家だった。

どの猫も人によくなれているが、一様にやせ細っていた。

餌を与えてもらえない、ネグレクトのような状態だったのだろう。

団体の人が餌を持って訪ねると、およそ20匹の猫が集ってきた。

これでも何匹か引き取り手が現れて、少なくなったのだと言う。

飼い主は、多頭でも世話ができると思っていたのだろう。

ひとたび躓くと、皺寄せは全部猫たちに寄せられてくるのだ。

2階の部屋にも猫がいた。

皆が皆、幸せに生きていけるのだろうかと心配になった。

 

目の前の猫を心配する一方で、虐待を受ける子供をはじめ、

人権を蹂躙されている人たちや、命を脅かされている人たちのことにはなかなか思いが及ばない。

連日報道されるウクライナの市民のことは気になっているが、

アフガニスタン、シリア、ミャンマーなど、さまざまな国や地域にも

生命の危険と隣り合わせの人たちがいる。

日本にも、いじめで悩む子もいれば、明日の食べ物にも困る貧困世帯もある。

だがそれは自然なことなのかもしれない。

ひどい環境にいる猫のことを心配するのは、自分が今その場所にいるからだ。

別の環境に身を置けば、そこで目にする事象について考える。

 

私たちは、その日その時その場所で、目の前にある世界でしか動けない。

寄付という間接的な支援の方法はあるが、行動できるのは今、ここしかない。

そんな当たり前のことに、改めて気づいた日だった。

 

 

 

広島のライター&カメラマン
ぶるぼん企画室
代表 堀行丈治
東広島市八本松南5-6-12コウセイビル202
TEL.082-401-1072 FAX.082-553-0556

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By ほりゆき

ぶるぼん企画室代表の堀行丈治(ほりゆきたけはる)です。取材、執筆、撮影、編集を生業としています。

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