今日のマツダスタジアム外野砂かぶり席

 

元野球少年の私だが、プロ野球を見なくなってから10年以上になる。

最大の理由は「テレビを見なくなったこと」。

特に起業して以降は、テレビはただの置き物になっている。

新聞のスポーツ面も見出しが目に入る程度で、記事本文まで読み込むことはなかった。

広島カープが25年ぶりに優勝した時はうれしかったが、一番の理由は

熱狂的なカープファンの父が、生きている間にまたカープの優勝を見ることができたからだった。

 

小学生の頃は年に一度くらい、父に市民球場に連れて行ってもらってカープを応援していた。

山本浩二、衣笠祥雄、水谷実雄、高橋慶彦、正田耕三、大野豊、池谷公二郎、北別府学、川口和久…

カープがすごく強かった頃だ。

「江夏の21球」の舞台となった日本シリーズの近鉄戦も、

テレビの前で固唾を飲んで見守っていた。

 

あれから30年以上が過ぎて

父は加齢とともにすっかり出不精になり、町外はおろか近所を散歩することもなくなった。

カープ観戦はもっぱらテレビだ。

CSの専門チャンネルのおかげで、毎試合見られるのがありがたい。

いい時代になったものだと思う。

そして、昔はいつも留守番だった母がカープ観戦を楽しんでいる。

子供の頃は私の方が選手のことをよく知っていたが、今は母の方が詳しい。

父との会話もカープ談義が一番盛り上がるようだ。

 

そんな母と、人生で初めて一緒に野球観戦をすることになった。

カープ大好きな叔母も一緒だ。

数時間を費やして挫折し、再挑戦でやっと手に入れたチケットを握りしめてスタジアムに向かった。

外野砂かぶり席という、臨場感があるようなないような面白い席だったが

トイレが近くにあり、シートが柔らかくて、雰囲気だけ楽しめればじゅうぶんな人には申し分ない。

4階表に買い物に行ったきりなかなか帰ってこなかった母と叔母。

お土産を抱えて帰ってきたのは6回に入った頃だった。

スタジアムショップは入場制限があったのだという。

母は、お目当ての坂倉のユニホームがなかったので、

店で待っている時にホームランを打った西川のユニホームを買ったとうれしそうだった。

父と行った球場では、食事や買い物を楽しむようなことはなかったが、

母や叔母と行くと、グルメやショッピングも楽しめそうだ。

今日は弁当以外に何も買わなかったけど、次回は散財してみようかなと思う。

 

 

 

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代表 堀行丈治
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By ほりゆき

ぶるぼん企画室代表の堀行丈治(ほりゆきたけはる)です。取材、執筆、撮影、編集を生業としています。