一昨日の中国新聞デジタルに、興味深い記事があった。
ヘイトスピーチに盗撮、不安定な在留資格。在日クルド人はなぜ迫害を受けるのか
さっそく読んでみようとしたが、私が契約しているビューワーコース(ビューワーで新聞紙面を読むことができ、ウェブ記事も月10本は読める)だと、この記事は読めなかった。

なんてことだ・・・
要は毎月4000円払わないと読ませないよということだ。
(ビューワープランは月2600円とお得なのだ)
1日か2日待てば紙面にも展開するだろうと思っていたが、昨日も今日も記事がない。
記事の見出しでググると、地方新聞各社のウェブサイトがヒットした。
つまり、共同通信の配信記事だ。
しかしどの記事も読者限定の設定なので、当然ながら読めない。
かろうじて山陰中央新報は、リード分と記事本文の冒頭が読めたので、その感想を書いておく。
以下は記事のコピペだ
スマートフォンの翻訳機能を通して、日本語とトルコ語でのたどたどしい会話が続く。
「この子、ビタミン剤を飲ませてもすぐに吐いてしまうんです。心配で」
「粉ミルクをあげてるの? だったら必要なビタミンは入ってるから、ビタミン剤は飲ませなくていいよ」
赤ちゃんを抱いた若いクルド人の母親は安心して、次々とトルコ語で日本人の支援者に質問する。マンションの1室にはクルド人の女性2人と彼女らの幼い子どもたち4人がいた。別の部屋には学校に行っていないのか、男子中学生がスマホに見入っていた。
女性たちにカメラを向けると、それまでの笑顔が凍り付いた。在日クルド人は日々、盗撮の恐怖におびえているためだ。
埼玉県南部の川口市、蕨市にはトルコの少数民族クルド人が多く住み、「ワラビスタン」と呼ばれることも。正確な数は不明だが、2千人ほどと言われる。安定した在留資格がない人も多い。
さらに2023年頃から突然、「出て行け」「犯罪者」などヘイトスピーチや差別デマが増え、路上やインターネット空間にはびこる。盗撮されてSNSに無断でアップされることも問題化。何が起きているのか、ワラビスタンを歩いた。(共同通信ヘイト問題取材班)
▽事件増えていない
集住地域と言われるJR蕨駅周辺を歩いても、すぐにクルド人とみられる人に出会うわけではない。中国人など、ほかの在住外国人と比べても少数だ。しかしクルド人による犯罪が増えたとのデマがある。データはどうなのか。
埼玉県警によると、2023年の国籍別検挙人員はベトナムが417人で最も多く、2位は中国で234人。クルド人を含むと考えられるトルコ国籍は69人で、全体の5・9%だった。
ある警察幹部は、はっきりとこう言った。
「SNSなどではクルド人の犯罪が多いと騒がれているが、クルド人に限って凶悪犯が多かったり事件数が増えたという実感はない」
▽自分にとっての銃はバールだ
「私は羊飼いの一家だったから、夏には羊を連れてみんなで高原に移動し、テント生活に入る。そこにクルドのゲリラが来るんだ。学のある者を仲間として連れ…残り2615文字(全文:3486文字)
ということで、在日クルド人に寄り添った取材記事である。
書かれていることは事実だと思う。
ただ、重要な事実を伝えていないとも感じる。
太字にした部分、検挙人数に間違いはない。
しかしこれを在留者の人数で割ると、興味深い数値になる。
検挙数トップのベトナム人は埼玉県内の在留者が36683人。在留者に占める検挙者の比率は1.1%だ。
2位の中国人は在留者数が77452人。検挙者の比率は0.3%。
トルコ人はどうだろうか・・・。
埼玉県HPによると、トルコ国籍者は16位以下の「その他」に含まれ、実数は1786人。
検挙者(69人)を在留者数1786人で割ると、比率は3.8%だ。
検挙者数1位のベトナム人の、実に3倍以上の検挙者比率になる。
件数は多くないが、国籍別の比率で見ると非常に高い。
共同通信の言い分は、「ベトナム人や中国人と比べれば大した件数ではない。騒ぎすぎだ」ということ。
しかし現実は、検挙者の比率が高いのだ。
住民が警戒するのも無理はない。
「マスコミが数字を出すときは比率を、比率を出すときは数字を見ろ」
というが、今回は、比率(外国人犯罪の5.9%)と数字(69人)を巧みに使い分けて
なおかつ在留者数(1786人)は隠すというテクニックが使われている。
数字のマジックを使う典型的なサンプルが採取できた。
記事を少しでも読ませてくれた山陰中央新報さんに感謝したい。
やっぱり島根県最高!