今日の取材先で、酒造会社の社長から聞いた話。
同社で使う酒米は、ほぼ全て近隣の農家が生産したものだという。
そして、精米は自社でおこなっている。
精米するときに、米袋に記された農家の名前が目に入る。
それだけで、酒造りへの気持ちが一段と高まるのだそうだ。
「生産者から預かった米を、立派な酒にしたい」
顔が見える生産物、顔が見える取引先の強さを改めて知らされた。
贔屓にしてもらえるだけでなく、製品を大切に扱ってもらえること
購入した相手も、大切に扱うことでいい仕事ができること
「顔」はいちばんの商売道具だ。
産直市の野菜には、たいてい生産者の名前が入っている。
名前が入ることで、作り手のモチベーションや、買い手の安心感が生まれる。
そこに顔と、さらに人間関係もプラスされれば、何よりのブランディングができる。
商売人は顔を売るのも仕事なのだ。
高品質な成果物を納入するだけでは普通。
取引先の成果に良い影響をもたらしてこそ、本物のプロだと思った。