クライミングで、過去3度挑戦して3度とも失敗している「凹角」というルートがある。
今日は寒くて指先の感覚がはっきりしないという悪条件。
先輩クライマーが「フィニッシュの支点構築のために、写真がほしい」と言う。
カメラを装備しているのは私だけだ。
最初に登った「第一ポピュラー」で撮った写真は、下のカラビナとスリング、ロープの位置関係が分かりにくかった。
再トライは凹角でやるしかない。
核心部で最初のトライは失敗。
しかし今日は絶対に写真を撮らなければならない。
崖下から先輩が何か叫んでいる。
「落ちてもいい」という思いで(本当は落ちないけど)力を込めて掴んだ岩を引き寄せ、つま先で岩を蹴る。
かろうじて体を支えられる姿勢になった。
膝をこすりながらこぶのような岩の上に乗る。
やっと越えられた。
支点に到達して、重なったカラビナを広げて写真を撮った。
トップロープの支点
午後のルートは前回初見で2度クリアした場所。
なのに今回は2度トライしてどちらも失敗。
自信あったのに…。
これがクライミングの面白さなのかもしれない。
たが、悔しい。