職業柄、企業の若手社員に取材することが多い。
就職活動期や入社時期がコロナ禍に重なっている人が一定数いる。
さぞかし大変な苦労をしただろうと思って話を聞くが、こちらが予想した答えは返ってこないことが多い。
行動制限や非接触活動が多かった当時を振り返っても、苦労話の中心はコロナと無関係のことばかり。
仕事の本質につながる出来事のほうが圧倒的に多い。
コロナ禍は経済への打撃が大きく、事業者にとっては大変な出来事だった。
20代の若者たちにとっても大きな混乱だったと思う。
だけど彼らは、さまざまな制約がかけられた学校生活や就職活動を自然体で受け入れ、
沈静化した今は「過去にあったこと」として記憶しているだけなのかもしれない。
今を生きる若者にとって、コロナは苦労でもなんでもない。
さらに今となってはもう過ぎ去ったこと。
「苦労したんじゃないですか」という思い込みで取材に臨んだ自分が恥ずかしくなった。
と同時に、もう時代はアフターコロナも過ぎて、次のステージに移行しているのだと思った。