災害が多発するようになって「正常性バイアス」という言葉をよく耳にするようになった。
「うちは大丈夫」という、根拠がないかあっても過去の経験でしかない過信のことだ。
正常性バイアスのせいで避難行動が遅れる、避難行動を取らない人がいて災害が大きくなる。
だけどこのバイアス、災害のときだけに生じるものではない。
日常生活でも仕事でも、正常性バイアスが邪魔をする。
「前にも似たようなことがあったけど、そのときは問題にならなかったから今回も大丈夫」
「これぐらいの負荷がかかっても耐えられる」
「私に限ってそんなミスはしない」
「毎日やっていることだから心配いらない」
など、明確な根拠がないのに軽率な行動をしてしまうことがある。
これらはすべて当事者の主観に基づくもの。
第三者が見れば不安な要素があるのに、本人は気がつかない。
他人から何かを指摘されるのは面白くないことだ。
正しいことを言われていても、否定したくなる。
その原動力の一つが正常性バイアスだと思う。
正常性バイアスは危険信号を「青」に見せる。
他人の忠告に反発するのではなく、一旦心を落ち着かせてよく聞いてみよう。
と、いつも思っているが、正常性バイアスは自分が気づかないうちに出てくるので難しい。