昨日の投稿タイトルにした
「本を焼く者はやがて人も焼くようになる」
はドイツのユダヤ人詩人、ハインリッヒ・ハイネの言葉だそうで、
後の世でナチスは彼の書物を焚書し、ホロコーストへと続いていった。
予言めいた格言を調べていると
「次にファシズムがやってくるとき、彼らは「反ファシズム」を掲げてやってくるだろう」
という言葉が気になって調べていると、田坂広志さんの公式サイトに辿り着いた。
(以下、風の便り 第46便より)
我々を裏切るもの
かつて、ブルガリアで「建国の父」と呼ばれ、
第二次世界大戦における反ファシズムの戦いの英雄であった
ゲオルギ・ディミトロフが、次の言葉を残しています。
次にファシズムがやってくるとき、彼らは、
「反ファシズム」を掲げてやってくるだろう。
このディミトロフの言葉は、
全体主義的な政治勢力の持つ
「大衆宣伝の巧みさ」に警鐘を鳴らした言葉に聞こえます。
しかし、第二次大戦後に彼が建国した
ブルガリアという社会主義国が、
それからの数十年間に歩んだ道を振り返るとき、
我々は、このディミトロフの言葉に、
深いアイロニーを感じざるを得ません。
そして、その感懐とともに、
彼の言葉が真に意味しているものに気づくのです。
この言葉は、全体主義的な政治勢力の
「大衆宣伝の巧みさ」に警鐘を鳴らしたものではありません。
この言葉は、全体主義的な政治勢力に無防備な
「大衆意識の危うさ」に警鐘を鳴らしたものだったのです。
自分自身ではなく、
自分以外の誰かが、
この国を変えてくれる。
我々の中に根深く存在する
その「依存心」を土壌として、
いつも我々は、
我々を裏切るものを育ててしまうのです。
(以上)
田坂さんの名前は聞いたことがあるが、どんな人なのかはまったく知らなかった。
公式サイトにある他の「風の便り」を読んでみると、短い文章なのにとても読み応えがある。
迷わず「風の便り」の配信を申し込んだ。
そして今日の夕方、挨拶に伺った呉市の社長さんとお話ししていると
田坂さんの名前が出てきた。
社長さんは田坂さんの本にいたく感銘を受けて、何度も読んでいるという。
著書はたくさんあるので、これから私も少しずつ読んでいこう。
興味を持った人のことを、翌日に別の人からも聞くというのはそうそうあることではない。
きっと自分にとって学びがあるに違いない。
そう思っている。