七ツ池のアオサギ

 

最近の二つのトピックから感じたことがあるので、記しておく。

一つは安芸高田市の石丸市長会見動画。

Youtube上にたくさんUPされていて、どれも再生数が多い。

お勧めするものがあるわけではないのだが、感心したものはこちら。

説明責任についてのやりとりが非常に面白い。

今は取材される側にも発信する手段があるので、市民が報道以外でも情報を得ることができる。

逆に言うと、Youtubeがない時代に石丸氏が市長を務めていたら、メディアに潰されていたかもしれない。

私たちは子供の頃からずっと、20年くらい前まではマスコミ報道以外の情報に触れることがほとんどなかった。

マスコミの論調で世論が形成されて、社会現象が起きたり、政治が動いたりしていた。

報道によって政治生命を絶たれた人もいただろう。

そういった被害が少なくなるのはいいことだと思う。

ネット社会が発達して誰もがスマホを使いこなすようになったことで、情報の受け手も意識が変わっている。

マスコミ報道だけでなく、今回で言えば安芸高田市の公式Youtubeのような

一次ソースの情報を得ることも可能になった。

マスコミの情報を鵜呑みにするのではなく、別の視点も求める傾向にあるのではないだろうか。

そう思っていたが、一方では思考停止に陥っている部分もある。

それがジャニーズ問題だと思う。

 

今回の発端になったBBCの番組を初めて視聴した。

こ番組はかなり突っ込んでいるので視聴をお勧めしたい。

ジャニー喜多川氏の行為についての告発は、北公次『光GENJIへ』が最初だったと記憶している。

1988年、今から35年も前のことだ。

当時はすごく話題になったが、だからといってジャニー喜多川が叩かれることはなく

北公次はひっそりとライブ活動をしていた。

その後は誰も話題にしなくなり、ジャニーズ事務所のアイドルは以前にも増して増えていった。

1999年にも週刊文春がジャニー喜多川の性加害を記事にしたが、他のメディアはいっさい追随せず。

(このときのことはBBC番組中でも文春記者の回想で語られていた)

結局、今回のBBCによる告発ドキュメンタリーがきっかけで事態が動き始めた。

しかし、被害に遭った元ジュニアのメンバーたちは「嫌だった」と言いながらも

「スターになるため」「親も知っていた」などの発言があり

「ジャニーさんを今でも尊敬している」と言う者も多い。

BBC記者はこれを「洗脳」と言っている。

そして、番組で取材を受ける多くの一般人も、この問題を重大な犯罪ではないと思っている。

そういうことはあると認識した上で、ジャニーズタレントを受け入れてきた。

ネット社会になって、マスコミの信用度が落ちても

テレビ画面で踊るジャニーズアイドルに夢中になっている。

創業者の性癖、あるいは事務所の体質など知ったことではない。

被害者がいても気にしない。

「分かってやっているんだからいいじゃない」と。

事務所のタレントだけでなく、一般人もいつのまにか洗脳されていたわけだ。

メディアは信用しないけど、見たいものは見る。

知りたくないことは、なかったことにする。

あっても気にしない。

 

私たちは賢くなったのか、鈍感になったのか、よく分からない。

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By ほりゆき

ぶるぼん企画室代表の堀行丈治(ほりゆきたけはる)です。取材、執筆、撮影、編集を生業としています。

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