竹島の存在を消した新聞広告

 

新聞のテレビ面の記事下広告は、中国放送の番組宣伝だった。

中四国6局ブロックネット特別番組「アンガールズの絶景アイランド

真っ先に目に飛び込んできたのは

「中四国には、最北端と最南端に同じ名前の島がある」という文言。

そして広告には、地図上の隠岐の島(島根県)と沖の島(高知県)が示されている。

広告だけでなく、番組HPでも隠岐の島が最北端だと記述している。

言うまでもなく、島根県の最北端は竹島だ。

隠岐の島からおよそ150km北西。

中四国最北端というなら、当然竹島なのだが……。

 

新聞は記事だけでなく、広告でも事実と異なるものは掲載できない。

さらに広告は、たとえ事実であってもクレームの可能性があると修正を求められる。

何度も掲載した内容でも、一度クレームが入った表現はNGになる。

広告代理店にいた頃、新聞社の広告審査としょっちゅう言い合いになっていた。

(いくらこっちが粘ってもダメなのだが)

つまりこの中国放送の広告は、新聞社の広告審査がOKを出している。

中四国の最北端が隠岐の島だという記述は、広告として問題ないと。

新聞記事の校閲ならば、絶対に修正される。

 

間違いをスルーしていること以上に問題なのは、

これを読者、視聴者に刷り込んでしまうことだ。

「島根県の最北端は隠岐の島」と覚えてしまう恐れがある。

それは竹島の存在を忘れることにつながる。

日本国や島根県にとって看過できないことだと思う。

この番組は中四国6局で放送される。

BSS山陰放送は、苦情の一つでも入れたのだろうか?

そっちのほうが気になる。

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By ほりゆき

ぶるぼん企画室代表の堀行丈治(ほりゆきたけはる)です。取材、執筆、撮影、編集を生業としています。

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