実家の畑に、樹齢68年のイチョウの木がある。
この木は雌なので、近くに雄の木がないと実をつけない。
数年前に近所の雄の木が切られて実をつけなくなっていたのだが、
一昨年、雄の木を植えると、その年から再び実をつけるようになった。
そして、去年は大豊作。
取りきれないほどの実をつけていた。
そして、その取りきれなかった実から、芽が出て伸びてきた。
イチョウの木の真下に、真円を描くように若木が茂ってきた。
その若木は全部、雄の木だと母が言う。
見分け方なんてあるのかと聞くと、葉の形が違うのだと言う。
葉が二つに割れているのは雄木、割れずに「イチョウ型」なのが雌なのだそうだ。
なるほど、地面から顔を出した木の葉はみな割れている。
実をつけている木の葉は割れていない。
見事なイチョウ型だった。
それにしても、新芽の全てが雄とは不思議でならない。
一本だけある雌の木が、貴重なものに思えてきた。