SNSの投稿で、よく見かけるのが漢字の読み仮名を問うクイズだ。漢字検定ブームが過ぎ去ってもクイズ好きの需要は根強いのか、いろいろなユーザーが出題している。

難易度は、一般常識(と思われる)レベルの用語から、出題以外では目にすることがないような難読漢字までさまざまだ。移動時間や空き時間の暇つぶしにはもってこいなのだが、このクイズを解いていると、いつも不安が頭をよぎる。

この漢字を書けといわれたら、はたして正しく書けるのだろうか。

インタビューや会見など、取材仕事をするときはノートにメモを取る。メモはスピード優先なので、漢字はひらがなや略字に置き換えることがある。画数が多い漢字は置き換えが頻発するが、それほど多い画数でない場合もひらがな化している箇所がある。瞬時に漢字が書けないのだ。

とうかつ(統括)、かんとく(監督)、ぎもん(疑問)、きのう(機能)、ゆうづう(融通)、しせつ(施設)、からあげ(唐揚げ)、ぜっけい(絶景)

直近のノートを見ると、感じで書くのが普通だった言葉のいくつかが平仮名になっている。全てがスピードの問題だとは思えない。

数年前に「読めるけど書けない漢字」を少しSNS投稿していた。

朴訥、静謐、聚楽第……

そのときは書けるようになったが、今はもう書けない。

今度はこのブログで、時々書いてみよう。

最初の言葉は、私たちに必要なもの。もちろん今日は書けなかった。

 

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By ほりゆき

ぶるぼん企画室代表の堀行丈治(ほりゆきたけはる)です。取材、執筆、撮影、編集を生業としています。