東広島市立美術館アートギャラリーで開催されている写真展「跳ねる!」を見てきた。
東広島市河内町の写真クラブ「河内デジカメ教室」「小田写真教室」の2団体が共催した。
田舎の写真クラブの合同写真展にありがちな学習発表会的な展示ではなく、
ちゃんと「跳ねる!」のテーマから導き出した作品群だった。
特に小田写真教室の展示がすごい。
すべて二枚組で構成しているのだが、高齢者の作品とは思えないくらい強烈なインパクトがある。
撮影者の「個」の視点がある。
誰でも撮るようなものは一つもない。
市民グループの写真展には、既視感のある写真がいくつかあるものだが、小田にはない。
本当に驚いた。
小田写真教室の代表で講師でもある藤岡亜弥さんの力が大きいとは思うが、
芸術家に指導を受けると、高齢者でもここまでのものを生み出せるとは……。
すべての展示を通して、特別なものは取っていない。
河内町小田という過疎地が被写体なのに、ものすごく魅力的な作品に仕上がっている。
日頃「いい被写体がない」「光の加減が悪い」などと理由をつけて作品作りを放棄しがちだが、
被写体がないのではなく、気づいていないのだ。
観察眼と感性、選ぶ力、組写真にする構成力、展示全体のディレクション、
すべて今後の私に影響を与えると思う。
「見る」という行為も、創作活動の一つだ。