三次取材3日目は、夜明け前に宿を出発。
霧が立ち込める中、20分ほど車を走らせる。
路肩の鹿を避けながら山を上がってゆくと、空がだんだん明るくなってきた。
日の出の直前に取材場所に到着。
少し前までは霧がなく、きれいな星空が見えていたと聞いた。
もう1時間早く来るべきだったと後悔。
今日のプログラムの最初は、霧の海観測会。
すでに日の出の後だったが、見事な霧の海が見られた。
写真では見たことがあったが、自分の目で霧の海を見るの初めてだ。
三次には何箇所か霧の海が見られる場所があるという。
霧の海に浮かぶ島のように、中国山地の山が顔を出している。
その彼方に雲が、まるでアルプスの頂のように白く輝いていた。
「日によって、霧の海が穏やかだったり波立っていたりと表情が違う。海面の高さも変わる」
ガイドさんの話に聞き入る。
自然観察は、詳しい人と一緒の方が面白い。
取材がなければ、この景色を見ることはなかっただろう。
だが一度でも感動を体験すると、もう一度見たいと思ってしまう。
いつかまた、私はこの場所に来るだろう。
ライターとして、あるいはカメラマンとして仕事をすると、
たくさん人やものごととの出会いがある。
この仕事をしていなければ関わることがなかったような人とも会える。
世界は毎日少しずつ広がってゆく。
それだけで、生きている喜びを感じることができる。
広島のライター&カメラマン
ぶるぼん企画室
代表 堀行丈治
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