祭り

 

諸事情があって、得意先のチラシ折り込みを

フリーペーパーから新聞に変更した。

折込日は明日か、どんなに遅くとも明後日にしなければならない。

折込ステーションを経由すると、最短でも3日後の折込だ。

絶対に間に合わない。

こんな時にとるべき行動は一つしかない。

納入先からチラシを引き上げ、その足で新聞販売店に直接持ち込むのだ。

 

印刷会社にいた頃に同僚の案件で、得意先からクレームがあり、刷り直して即納品ということがあった。

日頃はスケジュール管理にうるさい工場が、こんな時には優しい。

手が空いている社員全員が食堂に集まって、仕分けを手伝う。

納期は無茶苦茶なのに悲壮感はなく、

「いっちょやったるか」という雰囲気にあふれる。

ちょっとした「祭り」状態になるのだ。

つべこべ言わずにやることをやろう、という最大のモチベーションが発生する。

 

大会社ではない個人事業だが

今日の折込変更は時間が命。

20年くらい前に経験した「祭り」のことを思い出した。

昼過ぎまでに14店舗を回ってミッション完了。

どうにかオーダー通りの折込手配ができた。

一人なのになぜか、チームワークで乗り切ったときと同じような充足感がある。

予定外のことが起きても前向きに取り組めば、結果はなんとかなるものだと改めて思った。

 

 

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代表 堀行丈治
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By ほりゆき

ぶるぼん企画室代表の堀行丈治(ほりゆきたけはる)です。取材、執筆、撮影、編集を生業としています。